
ある日、ジャンク屋ロウ・ギュールの前に現れた「ライブラリアン」を名乗る組織。彼らは、ロウに対し、すべてを明け渡すことを要求する。
そこにはロウの命まで含まれていた。
気の良いロウも、そんな用件を飲めるはずがない。レッドフレームで出撃したロウに対し、ライブラリアンは、
独自の改良を加えたゲイルストライクガンダムと、もう一機、ロウと同じレッドフレームを出撃させてくる。
さらに、レッドフレームの手には、「ガーベラ・ストレート」と対になる刀、「タイガーピアス」があった。
「誰だ、お前は!」
叫ぶロウに対し、答えたもう一機のレッドフレームのパイロット。それは、そこに居るはずのない、「死者」であった……。
一方、同じ頃、ロンド・ミナ・サハクの居城、宇宙ステーション「アメノミハシラ」にも、同じくライブラリアンを名乗る者が現れていた。
こちらもモビルスーツは二機。一機は、ヘイルバスターガンダム。そしてもう一機は、アマツに改造される前のゴールドフレーム。
「私は帰ってきた。姉よ、よもや私を忘れはしまい」
ミナはその声を聞いて、驚愕する。それは忘れるはずのない声、自分の半身、死んだはずの双子の弟、
ロンド・ギナ・サハクのそれであった!
謎を秘めたライブラリアンの侵攻が開始される!
・ジャンク屋組合
ロウ・ギュールが所属する組織。戦いにより破壊が広がる世界の中で、回収修理を推し進めている。
国際法で保護された権利を持つ一方で、積極的な戦闘行為を禁止されている。
・アメノミハシラ
元はオーブの軌道エレベーターの頭頂部となるはずだった宇宙ステーション。内部に巨大なファクトリーを持ち、多くのモビルスーツを保有している。
現在はオーブ五大氏族の一人、ロンド・ミナ・サハクが、ここを居城として活動している。
・傭兵部隊サーペントテール
どこの軍にも所属せず、依頼を受ける形で戦争に加わる傭兵部隊。
傭兵の中でもサーペントテールは、すでに伝説的な存在となっている。しかし、その強さは構成メンバーの連携の強さである。
・ライブラリアン
司書、図書館員の意味を持つ。突然ジャンク屋のロウ・ギュールやオーブのロンド・ミナ・サハクに戦いを仕掛けてきた謎の組織。
戦争行為や人民の支配などが目的ではなく、独自の価値観に従い行動している。
組織としての規模は不明だが、これまで開発されたモビルスーツの機体データや、エースパイロットの詳細なデータ(遺伝子レベルにまで及ぶ)を保有している。
そのデータを使用し、既存の機体を強化再設計して使用している。軍のワクを越えてデータを保有しているため、予想も付かなかった強化が施された機体も多い。
・カーボンヒューマン
ライブラリアンが保有するパーソナルデータによって作られる、特定の人物を限りなく再現した人間。
カーボンコピーのように「似て異なる複製」であることから、カーボンヒューマンと呼ばれる。
クローンではなく、別人に特定の遺伝子や記憶を植え付け生み出される。その技術は選別した遺伝子によって生み出されるコーディネイターに近い。
この技術を使えば、すでに亡くなった人物を蘇らせることも可能となる。ただし、どこまでオリジナルの本人と同一性を持てるかは、ライブラリアンが保有する、パーソナルデータに依存しており、情報が不足している人物を作ることは出来ない。